■プラムフィールド■。。。■ファミコン救出計画■

(#このコラムは当時ある雑誌に掲載されました。)

『箱庭の意味とは? ー スーパーマリオ64 ー』
(ニンテンドウ64用ソフト・任天堂・96年6月21日発売)

6月14日、近くのトイザラスにN64のデモプレイ台が設置された。 その日は午後5時57分には無意識のうちにトイザラスに駆けつけていた。

胸の奥からわき上がる高揚感を抑えつつ、いぶかしげにコントローラーを 掴むと、たどたどしく慣れない手さばきでプレイを始めた。

・・・そこにはもうひとつの世界があった。
鳥は優雅に囀りを交し、蝶は静かに時の流動を促していた。 女性の下着のような繊細な芝生の上を、マリオは軽快に駆けていく。

・・・1時間後
アギャァァァァァ〜!!の叫びとともにマリオは雪山から転げ落ちる。

・・・1時間50分後
「ちんぼつせんのおたから」のところで大苦戦。 まだ3Dスティックを上手に使いこなせないこともあり、 どうしても壁をよじ登ることが出来ないのだ。

そうこうしているうちにBGMは「ほたるの光」に変わっていた。 自分がマリオワールドの住人でないことに気づいたのは、午後8時。 店の閉店の時間だった。

なんとも言えぬもどかしさを抱きつつ家路についた。

2時間プレイした感想は「すごく面白かった」ではなく、「とても不思議な感じ」 だった。このゲームはお店で立ったまま急いでプレイするものではない。 ひとつのワールドの中に、星の数ほど遊び方がある事を実感した。

好奇心、冒険心を奮い立たせて遊んだ方が、ずっとずっと楽しめる。

例えて言うと、子供が新しい公園を見つけたとする。見渡すとブランコと砂場 がある。それだけでもけっこう楽しい。でも、好奇心を胸に冒険すると、奥の 生け垣の裏に、裏山へと続く抜け道があったり、歩いている時に見つけた狭苦 しいところが、秘密基地に変わったりするものだ。

そうこう考えているうち、ふと思った。
” 店でのプレイは、新しい公園をくるりと見渡したに過ぎないのだ ”
その時、初めて宮本茂の言う「箱庭」の意味が少し判ったような気がした。

「スーパーマリオ64」は”プレイヤーがゲームを面白くするゲーム”なのだと 強く確信した。




■プラムフィールド■。。。■ファミコン救出計画■

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送