(ニンテンドウ64用ソフト・任天堂・96年6月21日発売) |
6月14日、近くのトイザラスにN64のデモプレイ台が設置された。 その日は午後5時57分には無意識のうちにトイザラスに駆けつけていた。 胸の奥からわき上がる高揚感を抑えつつ、いぶかしげにコントローラーを 掴むと、たどたどしく慣れない手さばきでプレイを始めた。 ・・・そこにはもうひとつの世界があった。 鳥は優雅に囀りを交し、蝶は静かに時の流動を促していた。 女性の下着のような繊細な芝生の上を、マリオは軽快に駆けていく。 ・・・1時間後 アギャァァァァァ〜!!の叫びとともにマリオは雪山から転げ落ちる。 ・・・1時間50分後 「ちんぼつせんのおたから」のところで大苦戦。 まだ3Dスティックを上手に使いこなせないこともあり、 どうしても壁をよじ登ることが出来ないのだ。 そうこうしているうちにBGMは「ほたるの光」に変わっていた。 自分がマリオワールドの住人でないことに気づいたのは、午後8時。 店の閉店の時間だった。 なんとも言えぬもどかしさを抱きつつ家路についた。 2時間プレイした感想は「すごく面白かった」ではなく、「とても不思議な感じ」 だった。このゲームはお店で立ったまま急いでプレイするものではない。 ひとつのワールドの中に、星の数ほど遊び方がある事を実感した。 好奇心、冒険心を奮い立たせて遊んだ方が、ずっとずっと楽しめる。 例えて言うと、子供が新しい公園を見つけたとする。見渡すとブランコと砂場 がある。それだけでもけっこう楽しい。でも、好奇心を胸に冒険すると、奥の 生け垣の裏に、裏山へと続く抜け道があったり、歩いている時に見つけた狭苦 しいところが、秘密基地に変わったりするものだ。 そうこう考えているうち、ふと思った。 ” 店でのプレイは、新しい公園をくるりと見渡したに過ぎないのだ ” その時、初めて宮本茂の言う「箱庭」の意味が少し判ったような気がした。 「スーパーマリオ64」は”プレイヤーがゲームを面白くするゲーム”なのだと 強く確信した。 |
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